ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

東名高速の堂々たる欠番「No.2」−1



 東名高速道路は全通して40年が過ぎた。国内有数の交通量の多い路線として
施工当初のままでは需要に耐えられず、数々の改良が施されてきた。これらの多
くは当初計画では想定していなかったものである。


1)インターチェンジの改良
 料金所ブースの増設や、アプローチランプの拡幅や立体化などである。
 横浜町田ICでは、本線からのオフランプの拡幅、アプローチの延長、さらに
国道16号保土ヶ谷バイパスへのダイレクトアクセスの増設が実施された。

 厚木ICでは、国道129号北行からのオンランプとオフランプの織り込み区
間解消のために立体化された。
 大井松田ICでは、神奈川県道78号御殿場大井線の南足柄方面へのオフラン
プが増設された。
 御殿場ICでは、国道138号への第2インターが増設された。

 沼津ICでは、伊豆縦貫道への直結ランプが増設され、静岡県道83号沼津
IC線との接続ランプが立体化された。
 富士ICでは、西富士道路との接続ランプが増設された。
 静岡ICでは、本線からのオフランプの拡幅、アプローチの延長が実施された。
 浜松ICでは、静岡県道65号浜松環状線との接続ランプが立体化された。

 ・・・名神高速道路に乗り入れる小牧ICまでのほとんどのインターチェンジ
で、何らかの改良が施されている。

◆写真S1
東名高速道路上り線、横浜町田IC出口。
2車線に拡幅されている。
(2007年11月22日、著者撮影。)
2)インターチェンジの追加

No.3−1 横浜青葉IC
No.5−1 秦野中井IC
No.7−1 裾野IC
No.13−1 相良牧之原IC
No.14−1 掛川IC
No.15−1 磐田IC
No.16−1 浜松西IC
No.18−1 音羽蒲郡IC
No.20−1 東名三好IC

 ナンバリングを見ればわかるように、全区間で均等にインターチェンジが追加
されている。全区間で交通需要が安定して多いということである。


3)本線の拡幅

 大井松田ICと御殿場ICの区間が上下7車線に拡幅された。(上りは3車線
を新設、下りは既設の上下4車線を利用。)
 厚木ICと大井松田ICの区間が上下6車線に拡幅された。
 静岡ICと焼津ICの区間(日本坂トンネル)が上下7車線に拡幅された。
(上りは既設の上下4車線を利用、下りは3車線を新設。)
 音羽蒲郡ICと守山PAの区間で断続的に路肩側に1車線増設された。

 ・・・ほかにも渋滞対策として大和トンネル、海老名SA付近などで路肩側に
1車線増設された。

 これらは、決して小規模な改良ではないが、ほかの路線を巻き込んだ高速ネッ
トワークへの影響の少ないものばかりである。東名高速道路の不具合として閉じ
ている。したがって、乱暴な表現をすればいずれも応急措置と言える。具合が悪
いのでとりあえず修理したに過ぎない。
 ほかの路線との接続については、やはり計画通り慎重に進めるべきである。

 東名高速道路は、冒頭で記したように国内有数の大幹線であるが、案外「枝」
が少ない。路線の南側は太平洋で、北側は山岳であり、東名高速道路を交差する
交通需要は少ないのだ。首都圏から名古屋圏まで、非常に細いエリアの需要のた
めに供給された路線ということである。首都圏、名古屋圏の環状系路線との接続
を除くと、東京ICの次は小牧JCTまで幹線との接続は見られない。

 近い将来、併走する新東名高速道路との連絡のために静岡県内でジャンクショ
ンが設置される。尾羽JCTと三ヶ日JCTである(いずれも仮称)。尾羽
JCTは、清水ICのやや東京寄りで、数キロ北を併走する新東名に接続する。
この先は、身延を経て中央自動車道の双葉JCTに接続する。つまり、中部横断
自動車道の一部である。

 三ヶ日JCTは、三ヶ日ICの名古屋寄りで、十数キロ北を併走する新東名に
接続する。この先は、佐久間を経て中央自動車道の飯田山本ICに接続する。つ
まり、三遠南信自動車道の一部である。中部横断自動車道、三遠南信自動車道と
もに全通しても交通量は極めて少ないと考えられる。これらの路線は、東名高速
道路に接続する高速道路とは思えない牧歌的雰囲気になるだろう。

 ところで、東名高速道路が計画されたときに、新東名高速道路を同時に計画す
るはずはない。つまり、新東名関連の接続も後付なのである。

続く