ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

東海北陸道の全通効果3



 東海北陸自動車道は一宮JCTまでだが、一宮JCTはさらに南下できるよう準備 
されている。東海北陸自動車道本線、および南下区間への名神高速道路からの亘り線 
の接続部はわかりやすいかたちで構造物が見られる。(◆画像3、◆画像4)

 この南下ルートは、西尾張中央道上をまっすぐ南下して、東名阪自動車道の蟹江I 
Cと交差して、さらに伊勢湾岸自動車道の弥富付近(湾岸弥富ICと弥富木曽岬IC 
の間)に達する。一宮西港道路という名称で構想路線になっているが、現時点(20 
03年9月)では施工主体が決定していない。東海北陸自動車道は、一宮JCT以北 
は尾西ICの手前まで既存の愛知県道14号岐阜稲沢線の上に、下部に4車線分の一 
般道路を確保できるかたちの高架橋構造で建設された。

 一宮JCT以南も同様の構造 
で建設されると思われる。この県道は、岐阜市南部と湾岸弥富をまっすぐ結ぶ高規格 
一般道路で、区間ごとに路線番号が変わるが、利用車にはその区切りを意識させるこ 
とはない。全区間は西尾張中央道という愛称がつけられている。一宮西港道路は西尾 
張中央道と2層構造になる。なお、西尾張中央道は国道1号、23号を高架で跨ぐの 
で、一宮西港道路は3層またはセパレート構造になり、都市高速道路のような複雑な 
かたちになる。

 日本海側の接続点である小矢部砺波JCTは、北陸自動車道に接続しているが、そ 
のまま直進して能越自動車道に乗り入れている。能越自動車道は富山県道路公社によ 
り運用されている。現在(2003年9月)は高岡市の国道8号までの開通だが、高 
岡市や富山市西部への利便性は高い。能登半島への延長工事も進行している。

 一宮西港道路は、能越自動車道に似たルートである。富山県が独自に高速道路を開 
通させているのだから、愛知県もできないはずはない。交通需要は一宮西港道路の方 
がはるかに大きいので、是非早めに着工してほしい。(需要は大きいが、先述のよう 
に既存一般道路の上に複雑な構造で建設されるので費用も大きい。したがって、費用 
対効果という現実的な尺度で測れば、ほぼ全線が盛り土構造の能越自動車道の方が有 
効かもしれない。)

◆画像5
一宮市大和町北高井
一宮JCT亘り線の交差部をのぞむ。高架1層目は名神高速道路本線、2層目は名神 
高速道路下り線から東海北陸自動車道下り線への亘り線、3層目は東海北陸自動車道 
上り線から名神高速道路下り線への亘り線である。
将来は、東海北陸自動車道の延長になる一宮西港道路が、名神高速道路と直交するか 
たちで交差して4層構造になる
 美濃ICまでは、おおむね濃尾平野の平野部を進行するが、この先は山岳区間にな 
る。トンネルの連続で、長良川に沿って北上する。また、美濃IC以北は小矢部砺波 
JCTまでの長きに渡って2車線の対面通行になっている。もちろん暫定措置で、交 
通需要に応じて順次拡幅(フル規格化)される。

 美濃IC以北は順次延長された。美並ICまで開通したころはスキーシーズンの週 
末午前に美並IC出口(終点)を頭に渋滞するくらいだった。この渋滞も利用者には 
深刻だったが、フル規格化を急がせる要因にはならなかった。ところが、郡上八幡I 
Cまで延長されたころから季節に関係なく週末午前の下り線、午後の上り線の渋滞が 
定常的に発生するようになった。さすがにこの状況には対策が必要である。郡上八幡 
ICまでのフル規格化に着手した。この区間は先述のようにトンネルの連続で、工事 
はスムースに進行しない。それでも、現時点(2003年9月)には、ほとんどの箇 
所で構造物が表れてきている。

続く