活動元通信アナリストの眼

刷新された人民解放軍の規約



ああ言えばこう言う。台湾と中国大陸に挟まれた台湾海峡の両岸に、双方は拡声器で
主張をがなりあう。例えば、台湾が「台湾においでよ。こちらのお姉ちゃんはきれい
よ。」と言えば、中国は「中国にもきれいなお姉ちゃんがいるよ。そして。。。こっ
ちの方が安いよ。」と返す。いつかこういうほほえましい軍事境界線の場面を見てみ
たいと思って私は中国語を始めたのであった。

台湾海峡を挟んで中国と台湾はまじめな主張をしているはずである。台湾が独立と言
えば、中国は台湾の対中国投資はうなぎ上りであるとすましてみせる。南アフリカの
地球環境サミットにこぎつけて、台湾は貧しいアフリカでも民主主義は健全なのに中
国は投票の自由もないと糾弾し、中国発の「台湾ニュース」では、国連は中国は一つ
の原則を支持していると主張。世界にバカにされている台湾。

さて、台湾の陳総裁の今日の主張は、東西ドイツの統合のように中国台湾の統合がう
まくいかないのはなぜか。台湾海峡沿いにたくさんのミサイルを台湾に向けて配備し
ていれば、誰だって統合なんて嫌がるはずだ。ミサイルを撤去しろ、(Taipei Times)
である。

それに対する中国の回答は後日の楽しみとしよう。代わりに9月17日付けの人民解
放軍報に、中国人民解放軍の新軍事訓練規範が発表されたのでそれを紹介する。江沢
民国家主席は軍事訓練に新しい思想が必要と述べた。指導思想、方針、基本任務、総
合訓練、国連活動の訓練、非常事態への対応、訓練方法、エトセトラに対する全ての
答えが毛沢東、ケ小平、そして江沢民の思想にある。そして軍は党と人民に絶対服従
する、というようなことが書いてあった。ド素人の私にはどこが新しいのかわからな
いが、これは最近、中国では思想統制が強まっているという周辺国の懸念を裏付ける
ものであろうか。ともあれ、在日中国人にこういう内容の文書への感想を求めると、
彼らの多くは「絶対中国には帰りたくない、もう帰らない。」と言うのである。


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